新着・今後の活動・心ゆたかに

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◆ 心ゆたかに No.89

2010-11-29

発行日 平成22年9月1日
『親子ふれあい工作教室と』 静岡県磐田市西貝塚

 去る八月二十一日(土)、磐田市西貝塚の中遠建築高等職業訓練校(磐田市職業訓練所)で、親子ふれあい工作教室(磐田市・中遠建築高等職業訓練校・中遠連合建築工業組合共催)が開催されました。
この教室は、次代を担う子供たちに伝統の技術を伝え、親子の触れ合いを通じて夏休みの良い思い出を作ってもらうことを目的に開かれました。磐田市を中心とした中遠地域の親子連れが三十人以上参加し、建築技能士や訓練指導員の二十六人のスタッフの指導を

受けながら、地元産のヒノキやスギを用いて、プランターやイス、棚などを二品ずつ製作しました。
参加者は慣れない手つきながら楽しそうに取り組んでいました。出来上がった作品と達成感は良い思い出になったことでしょう。


『イオンの葬儀・僧侶紹介事業開始の波紋』
 日本テンプルヴァン㈱ 井上文夫
「「全仏ではこの問題で公開シンポジウムを開催」
 この問題は珍しいほど社会の多くの感心を集めたようです。私自身もサンケイ新聞や朝日新聞、週刊誌などの取材を相次いで受けました。いろいろ話題になった感がありましたが、大きく分けて二つの対立軸が浮かび上がってきました。一つは、いままで葬儀の導師として秩序を保ち、厳粛な葬儀の司祭者としての役割を果たしていた仏教界とそれに従事している側に立つ葬儀社、一方の側は葬儀における各種の専門業務によるサービスを受ける側の消費者、という対立軸です。この構図は情報を伝えたマスコミがこの両者を提供側とその受け手側という二者の構造を前提としたからかも知れませんが、一般の人々がそのように感じていたことが大きいのでしょう。
 ここで予想外だったことがあります。それは、イオンが発表した葬儀の戒名やお布施の明確化に賛同する意見が八十%を超えるほどあったことです。また、まるで責任の無い僧侶や寺院の存在に対して、乱暴な言葉を使い非難をする意見が多くを占めていたことです。その一部を紹介しますと「坊主丸儲けで、お布施は志で結構と言いながら、少ないとこれでは足りないと言われた、という発言に始まり、お布施は金額を決め、オープンにした方がいいとか、お寺は税金も払わないで、文句も言うな、とまで言う始末です。
 これらの実情を知った全日本仏教会では、イオン対策ということではなく、一般からこれだけ誤解されたり、仏教やお布施についての正しい知識をもたないままただ単に非難している人々に、仏教界側から情報を発信し、一般の方々に少しでも理解されるべく勤めようとの観点から、次の「公開シンポジウム」が企画されました。
「公開シンポジウム【葬儀は誰の為に行うのか?】」
全日本仏教会主催の公開シンポジウム「葬儀は誰の為に行うのか?」は、今秋の九月十三日午後六時から東京の秋葉原で開催されます。ここで筆者が下手な説明をするより、全仏の案内書にある「シンポジウム開催主旨」をそのまま引用させていただきますので、ご参照ください。(以下引用)
近年、特に大都市を中心として「菩提寺を持たない」「菩提寺を知らない」という方々がいらっしゃいます。また「実家の菩提寺は知っているが、今の住まいから離れているので、付き合いがない」など、人口の流動による寺檀関係の希薄化が進み、菩提寺と関係を持たない方々が、突然葬儀という場面に対応しなければならないケースが増えております。いわゆる家制度が保たれた時代では、数世代が同居し、家長の仕切を見ながら、多くのしきたりを次世代が継承し、寺檀関係においても「阿吽の呼吸」で過ごすことができました。
 では、そのようなことを知らない方々はどう対応すればいいのでしょうか?いったい寺檀関係とは何でしょうか?葬儀のときに僧侶に渡す「お布施」とは、どのような意味が込められるものなのでしょうか? 我々僧侶は、菩提寺と関係を持たない方々が、お布施という明確な基準を持たないものに対する不満と、寺院との付き合い方がわからない不安に対して、目を向け、耳を傾けてこなかったのかもしれません。このシンポジウムは、お布施を通して、僧侶が一般社会からどのように見られているのか。一般の方々と僧侶の間で起きているであろう、葬儀(お布施)に対する考え方の違いを浮き彫りにして、僧侶と一般の方々との問題の共有を図り、菩提寺と関係を持たない人々に対して葬儀の重要性を共に考えていきたいと思います。
さらにはそのような方々と新たに寺檀関係を結ぶことができる葬儀、つまり一般の方々が意義を見いだせる葬儀とはどのようなものかを僧侶自らが「律する」という視点に立ち理解し、一般の方々と僧侶との信頼関係構築の一助となれば幸いです。
(引用ここまで)ご出席ご希望の方は、全仏に直接申し込まれるか、または筆者までぜひご連絡ください。
『曹洞宗吉祥寺様で解体法要』 静岡県浜松市東区貴平町
(メールアドレス:inoue@jtvan.co.jp)

去る八月八日(日)、浜松市東区貴平町の長光万福山吉祥寺様(桐畑守道龍泉寺住職兼務)において、老朽化した本堂と位牌堂、庫裡の解体法要が執り行われました。
吉祥寺様は、江戸時代には朱印地として広大な寺領を有し、檀家は十三軒でしたが年貢収入で賄われていました。ところが戦後の農地改革でほとんどの寺領が失われてしまい、先代の住職(故人)が二束のワラジを履きながら何とか支えておられました。そのような状態の中、本堂の老朽化が著しくなり、本格的な解体修理か新築が悲願となっていました。それでも、檀家十三軒では一軒当たりの負担が莫大なものとなってしまうため、先住の御存命中には実現しませんでした。
先住の御遺志を継いで桐畑住職と総代、檀信徒の方々の御尽力と御縁で、規模こそ現状の本堂より縮小されますが、念願の新築に決まりました。



・・・スズメバチの・・・

先日とある御寺院様から「天井裏で足音がするから白鼻心(ハクビシン)がいるみたい」という相談を受けて、弊社の常務が調査のために伺って天井裏に入ってみたら、何やら音がする。「ジジジジジ・・・」
「これは白鼻心の足音ではない。何だろう?」と、辺りを見回すとスズメバチの巣があり、その周りにたくさんのスズメバチがいました。「ジジジジジ…」は、巣に近づく者に対するスズメバチの警告音だったのです。間一髪刺されずに済み、調査を続けた結果、白鼻心見つからず、足音の主はネズミであることがわかりました。今回はスズメバチの話です。
スズメバチはハチの仲間でも大型で攻撃性の高いものが多く、日本には最も大きなオオスズメバチ(世界最大!)から最も小さなキイロスズメバチまで、十六種もいます。
スズメバチは幼虫の餌として他の昆虫を襲いますが、秋になって昆虫の数が減ると、ミツバチやアシナガバチなど他の種類のハチの巣まで襲うようになり、他のハチの巣を襲撃に行くスズメバチに遭遇する危険も高まります。スズメバチに襲われる危険から他のハチまでもが警戒のために攻撃的になります。また秋は行楽シーズンでもあり、野山に入って知らずに巣に近付いてしまい、ハチたちに襲われることも増えます。日本ではスズメバチに襲われて命を落とす例は、熊に襲われたり毒蛇にかまれてよりも多いのです。スズメバチは黒いもの(黒髪や眼の部分、黒い服装)を攻撃すると言われますが、コントラストのはっきりしたものを襲う習性があるので、夜は白っぽい服装が襲われやすくなります。防護服などを着ていて直接刺されることがなくても、毒液を直接吹きかけることがあり、目に入れば失明したり、皮膚に付けば炎症を起こします。散布される毒は警報フェロモンの働きがあり、仲間を興奮させ呼び寄せるので、騒がずに速やかに立ち去ることが大事です。
よくハチに刺されたら尿をかけるという応急処置を耳にしますが、これは効果がありません。毒を不活性化させるタンニンを含むもの(番茶など)で傷口を洗い流したり、傷口をつまんだり吸引器を使って毒を吸い出す、流水で傷口を洗うことはある程度効果があります。スズメバチはミツバチと違って一度刺しても毒針が抜けて死ぬことがなく、毒液が残っていれば何度も刺そうとします。一度刺されて抗体ができてから(数分から三〇分以内)また刺されるとショック死(アナフィラキシーショック)する危険があるので、速やかに避難し、病院に行きましょう。
もし、スズメバチの巣を見つけたら、行政や業者に連絡しましょう。

◆ 心ゆたかに No.88

2010-11-29

発行日 平成22年7月1日
『喜びの落慶式続々と』 静岡県各地で

 去る5月29日(土)、伊豆の国市北江間の、臨済宗建長寺派の北江山宝積寺様(石井訓広住職)で、本堂と位牌堂、書院の落慶式が執り行われました。
式典当日は鎌倉より管長猊下をお招きして、厳かに落慶を喜ぶとともに、関係者の労をねぎらいました。

 去る5月30日(日)、浜松市南区老間町の、臨済宗方広寺派の万松山祥光寺様(向令孝住職)で、本堂と位牌堂の落慶式が執り行われました。
式典当日は天候に恵まれ、大勢の檀信徒の方々が集まりました。天峰建設や出雲殿による模擬店もお賑やかしに華を添えました。


去る6月5日(土)、磐田市中泉の、臨済宗妙心寺派の無量山泉蔵寺様(安藤義典住職)で、山門、十王堂、庫裡など諸堂の落慶式が執り行われました。
一連の大がかりな伽藍整備が一段落し、新たな出発を祝いました。


『イオンの葬儀・僧侶紹介事業開始の波紋』
 日本テンプルヴァン㈱ 井上文夫
「仏教界を無視・軽視したイオンの対応」
 5月10日に全国のマスコミに向け、イオンが「ニュースレリース」を発表しました。一年前から受注を開始しているイオンの葬儀に対する付加サービスとして、希望者に「僧侶の派遣・紹介事業を」を開始するという内容がその骨子でした。
同日この情報をキャッチした私は驚きました。少し仏教界の事情を知るものにはすぐ分る「ウソ」が書かれていたのです。それはイオンが「八宗派の総本山の許可を得て」とこの事業の開始に当たり、恰も伝統仏経界のお墨付きを貰ったかの如き説明文があったことです。こんな許可をどの宗派の本山も出すはずがない、「これはとんでもない誇大広告だ」と私は思いました。
 そこで私は即座に全日本仏教会に情報を伝えました。全仏にしては珍しく「数日間の内に」加盟全宗派に対し、このような許可を与えたのは事実か、あるいは何らかの相談があったのか」などの質問表を送付するという素早い対応をしました。その後着々と回答が戻っており、それによると、どの宗派もイオンから相談も受けていなければ、無論「自宗派の僧侶をイオンから派遣をすることを許可もしていない」というものです。
イオンは僧侶派遣・紹介事業を企画し、サービスを開始したのですが、肝心な仏教界には前述の通り何らの挨拶も相談もないまま始め、しかもその発表した内容に偽りがあったのです。これは如何に同社が仏教界を軽視しているかを如実に表していることになります。実は問題なのは、このことより、戒名や戒名毎の葬儀のお布施金額について、全国統一したものを発表していることにあるのです。

「定価を付けたお布施は、将来課税へと進む恐れが」
さてイオンは、葬儀へ僧侶の派遣・紹介事業を発表すると同時に、前述のように派遣する僧侶への「戒名・お布施」の金額も併せて公表しました。一応「これは目安です」との断り書きはあるものの、これだけ全国規模の知名度の高い大企業が、ほとんど定価のように公表した金額は、利用者が増えるに従って、「定価」になっていくのは自然の成り行きです。
営利企業がどんなサービス事業を始めようが、それは全く自由です。しかしその内容が、営利企業の事業としては馴染まない「宗教活動」そのものである場合、勝手気ままにできるということでは当然ありません。少なくとも「宗教活動は宗教法人あるいは宗教者が行なうもの」であるべきであり、さらにその人たちの専権事項であるとも言える、葬儀の戒名やお布施の金額を営利企業が勝手に決め付け、その金額を自分達が差配している事業であるかの如く、明示することは宗教界としては到底見逃すわけにはいきません。
また同社は、従来からあったお布施に対する消費者の不満としてあがっていた「金額が不明瞭」との問題をこの事業で解消しようとしているのです。このお布施の定価を付けたサービスが普及していけば、一般消費者の不信感を払拭させることができ、しかも同社は葬儀の受注がし易くなる、というのが同社の目論見なのですが、これは仏教界に対し、越権行為であり、余計なお世話である、と言えます。
しかも怖いのは、数年前にあったペット葬儀のお布施に課税されたときの根拠が、今回とほぼ同一の類型であると思われることです。つまり「定価を付けたこと」「対価性があるということ」さらには「営利企業が行なっていること」の三つの事柄が、極めて類似性が強いことです。ということは、このイオンの葬儀における僧侶紹介や派遣事業が、全国に展開され、普及して行った場合には、課税庁の論理では、正に課税の条件が全て具備している、と断定されることになっていくのではないでしょうか。
このイオン問題は、現在仏教界側との論争が進行中のことでもあり、次回本稿でその後の経過をご報告させていただくつもりです。
『日蓮宗妙恩寺様で祈願祭』 静岡県浜松市東区天竜川町
 去る5月16日(日)、浜松市東区天竜川町の長光山妙恩寺様(山澤英伸住職)において、老朽化した常経殿の屋根換えと耐震工事の祈願祭が執り行われました。
妙恩寺様は、700年程の歴史があり、徳川家康が三方原の合戦で武田軍に敗れた折に、妙恩寺様に逃げ込み本堂の天井裏に匿われたという逸話があります。
式典当日は天候に恵まれ、初夏の陽気の中を関係者の方々が参列され、住職の読経が響く厳かな雰囲気の中、つつがなく執り行われ、今後の工事の無事を祈願しました。
現在施工中のベテランの宮大工である岩渕忠弘棟梁は、「梅雨の天気に悩まされているが、作業ができる時は全力で取り組んでいる。丁寧な仕事をしつつ、工期も間に合わせたい。」と、意気込みを語りました。



・・・韮(にら)の話・・・

最近何故か社内でちょっとした餃子(ぎょうざ)ブーム。身体を使う大工さんたちが、疲労回復にスタミナ食を自然と求めるのかもしれません。「あそこの餃子が美味いから」と、外回りのついでに買い出しを頼まれることもあります。今回は餃子にも使われる「韮(にら)」のお話です。
韮はネギ科(古い分類法ではユリ科でした)の多年草で、中国西部が原産です。日本では古事記に「加美良(かみら)」、万葉集に「久々美良(くくみら)」と記述がみられ、古代は「みら」と呼ばれていたのが訛って「にら」になったようです。
ネギやニンニクなどの他のネギ科の植物と同様、癖のある香りがあるために嫌う人もいますが、香り成分はネギやニンニクにも含まれるアリシンで、抗菌作用があったり、ビタミンB1の吸収を良くするので疲労回復に役立ちます。他にもベータカロチンやビタミンB1・B2、C、Eが含まれていて、カルシウムやカリウム、鉄なども豊富に含まれています。昔から、野菜や薬味としてだけではなく、生薬としても利用されてきた優れモノです。
韮は葉物なので新鮮なうちに使い切るのが一番ですが、保存する場合は買ってきたものをそのまま冷蔵庫にしまうと食感が長持ちしないので、使いやすい長さに切って、タッパーに水を張った中に入れて蓋をしてから冷蔵庫で保存し、こまめに水を換えれば食感が失われずに一週間くらい持ちます。
畑の脇や土手に野生していることもあるくらい身近な韮ですが、韮と間違えて有毒植物のスイセンを食べて中毒になることも時々起るようですので、野生の韮を食べる時には注意が必要です。参考までに、スイセンには葉に韮のような独特の強い香りがなく、球根があります。
 韮を使ったチヂミ(韓国風お好み焼き)の作り方を紹介します。
1. チヂミの粉(市販物でも小麦粉で代用でも可)を水でダマが無くなるまで溶く。
2. 適当な長さに切った韮を初めとした好みの具材、卵を混ぜる。
3. 熱したフライパンにゴマ油を引きお好み焼きよりも薄く焼く(両面)。
4. 食べやすい大きさに切り、好みのタレに付けて食べる。

◆ 心ゆたかに No.87

2010-11-29

発行日 平成22年5月1日
『完成見学会と構造見学会』 磐田市の安楽寺様と興徳寺様で

 去る3月30日(火)、静岡県磐田市立野の曹洞宗医王山安楽寺様(市川普弘住職)で完成見学会を、同市森下の曹洞宗長松山興徳寺様(八神英典住職)で構造見学会を開催いたしました。
見学会の計画が決まったのが、実施日の三週間ほど前でしたので、事前の広報と準備に充分な時間があったとは言えませんでした。それにもかかわらず、会場となったご寺院様のご厚意で快く引き受けて下さり、何とか実施へとこぎつけることができました。
当日は天候に恵まれて、数件の御寺院様や総代、世話人など関係者の方々が見学会に足を運んで下さいました。興徳寺様と安楽寺様の所在地が近いこともあって、ご来場された方々は、両方の会場にお寄り下さいました。それぞれの会場では、ご住職を始め天峰建設の社長や棟梁から、建設に関わる経緯や構造についての専門家ならではの説明がなされました。建設計画がおありのご寺院様にとりましては、ご参考になったのではないでしょうか。ご来場者には、大工の手作りの檜製の俎板を記念品としてお一人ずつお配りいたしました。
お客様と打合せをしている過程での見学会はこれまでに何度も実施しておりましたが、こちらから広報活動をしての見学会は初めての試みで、急な広報であったため、どれくらい来ていただけるか不安でしたが、まずまずの反響ではなかったかと思います。
次回は充分な準備期間を設けて、より充実した見学会が開催できる様にしたいと思います。より多くのご寺院様に来ていただける様に、早めのご案内を心掛けます。


『最近なぜ葬送関連のマスコミ記事が多いか』
 日本テンプルヴァン㈱ 井上文夫
「最大の反響があったNHKの無縁死社会番組」
 今年1月末にNHK特別番組「無縁社会」が放映されました。これは弊社にも取材があったため放映を事前に知っており、弊社の顧問先の富山の寺院住職も出演されるので、録画も録りました。地味なテーマですし、まさか大きな視聴率なんか望めないと思っていたのですが、結果は全く逆で、高い視聴率だったそうです。
 すぐ翌日から、今度は二次情報として、インターネットブログやツイッターなどへの、NHKの無縁社会の内容について、洪水のような書き込みが溢れたのです。それぐらい番組を見た人々の印象に残る衝撃的な内容だった、ということが言えるのではないかと思います。見た人も多いと思いますが、ご覧にならなかった人のために、概要をお知らせします。
「無縁社会」のNHKの放送は、昨今の都会の一人ぼっちで、社会生活で他人との関わりをほとんどを持たない孤独な人々の間で、「孤独死」が増加している問題の背景を取り上げたものです。昨年一年間に全国で、無縁死はなんと三万二千人も発生しており、これらを行政用語で「行旅死亡人」というのがそうです。これらのほとんどは葬式はおろか、お骨の埋葬もされず、いわば行き場を失った『仏さま』という位置付けになっているのです。これらが発生した社会的背景や、この問題に積極的に関わっているのが冨山の大法寺住職です。住職は、行政や葬儀関係者に対し、ほぼ手数料に等しい安価な料金で遺骨を引き取り、丁重に読経し、ご自坊の永代供養墓に埋葬する仕事を始めておられる様子を、実際に放送されたのがこの特集でした。
この番組はあまりの人気ぶりに、三月にも再放送されました。
「何社もの経済誌までが、葬送やお寺、お墓特集を」
 活字離れが言われて久しいですが、そのためか出版物の売行きは順調とは言えません。そこで出版各社、読者が関心を持ち、購買意欲をそそられる特集を組むことに全力を挙げています。そんな中で、昨今の週刊誌を初めとし、一般新聞紙までが特集扱いをし、記事を連発しているのが「葬儀、お寺、お墓」それに「無縁死」問題をテーマにしたものに集中しているのが昨今の現象です。
これらのテーマにあまり縁がないと思われていた経済誌の、ダイヤモンド社や同じく東洋経済社までもが、ここ数ヶ月の間に競うようにこのテーマの特集号を連発しています。弊社に時々来るダイヤモンド社の記者に、これらの特集の狙いを尋ねてみたら、なんと次の通りでした。
 これらのテーマにあまり縁がないと思われていた経済誌の、ダイヤモンド社や同じく東洋経済社までもが、ここ数ヶ月の間に競うようにこのテーマの特集号を連発しています。弊社に時々来るダイヤモンド社の記者に、これらの特集の狙いを尋ねてみたら、なんと次の通りでした。
出版する以上、販売を伸ばし会社の収益に貢献しなければならないが、これらのテーマで特集を組んだ場合、過去の経験から当り外れがない。二年前に同社が発行した「寺と墓の秘密」の特集号は、全国の売店で完全に売り切れ、各地から増刷の依頼が多数舞い込んだとのことでした。特にこの時は全国のお寺さんからの問い合わせが最も多く、八万近くあるお寺さんの半数近くの方々が購入されれば、軽く通常の販売部数は確保できる、という実感を得たそうです。以来、毎年のように同様の特集を組み、その都度販売を順調にこなしている、とのことでした。
さてあまり出版社の営業政策を取り上げても仕方がありません。なぜこのようなテーマが社会から受け入れられるのか。それは我国が成熟社会化する一方で、人口の減少、少子化の進展、身寄りのない老人の増加、格差社会が広がり、社会的弱者が増大、といういびつな社会構造になってきています。このような荒涼とした社会の中で、老後とか葬儀とか、あるいは避けることの出来ない「自分の死の問題」について、今一度考えようという人々が増えてきている、というのが社会背景としてあるのです。
このような時代を迎え、実はお寺はもっと社会に対し、本来的な役割を果たすことが期待されてきている、とも言えるのではないでしょうか。今こそお寺が出番であると私は思います。お寺の活躍により必ず社会は明るい方向に向かうはずです。
『定光寺様で落慶式』 静岡県磐田市前野
 去る4月25日(日)、磐田市前野の曹洞宗八王山定光寺(福智秀道住職)様で、本堂の落慶法要が執り行われました。
定光寺様では、平成18年秋に着工した鎌倉様式の本堂が、平成20年6月に竣工していまして、およそ二年越しの念願の落慶式でした。そんな皆の気持ちが天に通じたのか、雨の多い時期ではありましたが、当日はとても良い天気に恵まれました。
穏やかな雰囲気の中、式典は恙無く執り行われ、皆で完成を祝いました。天峰建設も模擬店で、焼きそばと焼き鳥を振る舞って賑やかしに華を添えました。



・・・食中毒の話・・・

最近天候不順で、桜や藤などが例年よりも早く開花したり、暖かくなったかと思ったら急に寒くなったり梅雨でもないのに雨が降り続いたりしています。体調も崩しやすく、体力が落ちている時に湿度が高いと心配されるのが、食中毒です。今回は食中毒の話です。
食中毒は有害、有毒な微生物、化学物質などの毒素を含む飲食物を口から摂取して起こる下痢や嘔吐、発熱などの症状(中毒)の総称で、その原因によって、細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、化学性食中毒、自然毒食中毒、などに分けられます。
食中毒の患者数ではノロウイルスが原因のウイルス性食中毒が最も多いのですが、ここでは高温多湿が原因で発生しやすい細菌性食中毒について、もう少し詳しく述べていきます。
細菌性食中毒の原因となる細菌には黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ属菌、カンピロバクター、病原性大腸菌、リステリア属菌など、様々なものがあり、細菌によっては非常に重篤な症状を招いて死に至らしめたり、調理による加熱程度では防げないものもあります。
細菌性食中毒を予防する三大原則は「つけない」「ふやさない」「ころす」です。「つけない」は調理前と食事前に手洗いをしたり、魚や肉と野菜の菜箸や包丁、俎板等の調理器具を分けたりすることで、細菌が食材や料理に付かないようにすることです。「ふやさない」は食材や料理を冷蔵庫や冷凍庫で保存し、細菌の増殖を少しでも抑えることです。冷蔵庫に入れれば大丈夫ということではないので、気を付けましょう。「ころす」は加熱やアルコールによって殺菌することです。
 他の予防法としては、食材を購入する時、新鮮なものを選ぶことです。
昨年七月より着工した浜松市浜北区根堅の曹洞宗太白山龍泉寺(桐畑守道住職)様の総門と袖塀の全解体修理が、この度完了いたしました。
住職のご希望で、約四百年前の赤樫の二尺ほどある柱、貫材や扉など、使える材はそのまま利用し、風格を残した姿に仕上がりました。
総門の竣工によって、さらに境内の景観の趣が深みを増しました。

◆ 心ゆたかに No.86

2010-11-29

発行日 平成22年3月1日
『貴重な体験・薬師寺東塔見学』 天峰建設代表取締役 澤元教哲

 去る2月26日(金)、奈良県奈良市西ノ京町の法相宗大本山薬師寺様(山田法胤管主)を訪れ、国宝の東塔を見学させていただきました。
薬師寺様では昨年10月から十年間に及ぶ東塔の解体修理に着手しておられ、今年の2月いっぱいまでは解体のための調査が行われていました。そのため、調査用の足場に囲まれており、せっかくの雄姿の全景を目にすることはできませんでしたが、その足場のお陰で、普段はまず目にすることのない角度から、間近で細部を見学することが出来ました。寺社建築の伝統の技を受け継ぎ、後世に伝えていく責務を持つ宮大工といたしましては、非常に貴重な体験となりました。
今回の見学の目的は、百年から数百年に一度くらいしかない国宝の伽藍の解体修理(本格的な全解体修理は今回が初)の、その時でしかお目に掛かれない構造の見学(先人の知恵と技術、経年変化の様子を見ること)にあったので、目的は十分に果たせました。
また、今回の見学は、お世話になっている御寺院様の御紹介があって参加させていただきましたが、つくづく御縁と言うのはありがたいものだと思いました。
解体の工事が始まりましたらまた、見学に行きたいと思います。


『他宗教への批判に対するお国柄の違い』
 日本テンプルヴァン㈱ 井上文夫
「シンガポールでは他宗教批判意見を禁止」
 昨年シンガポールでキリスト教牧師が、仏教に対し無神経な発言をし、さらにホームページにもそのことを掲載しておりました。この発言が今年の二月に問題視され、この発言をした牧師は国内治安当局(ISD)から呼び出しを受けました。
 当局から「発言は不適切」との指摘を受けた同牧師は、ホームページに「仏教、道教に対する無神経な発言を謝罪する。他の宗教をばかにするようなことは二度としない」との謝罪文をホームページに掲載した、というニュースがありました。
シンガポールはもちろん自由主義の国であり、信教の自由も認められている国であるにも関わらず、何故「他宗教批判」が問題視されるか。それはシンガポールという国の歴史や現在の国情が大いに関係していると言えるのです。これは日本で政権与党幹事長が、「仏教は度量の大きい宗教だと賞賛し、一神教であるキリスト教やイスラム教は排他的である」との発言がありました。一部のキリスト教団体から抗議があったものの、ほとんど問題にもされなかったのとは対照的な出来事でした。
そもそもシンガポールという国は、多文化・多民族国家であり、国の安定や秩序を守るためには、宗教的、民族的調和を維持することが重要である、という政策が基本にあることに起因しているようです。同国では、このためわざわざ千九百九十年に「宗教調和維持法」という法律を作り、民族間・宗教間のバランスと社会秩序を維持することに腐心をしているのが現状なのです。具体的には、聖職者が異なる宗教間の緊張を高めるような行動や、自ら信仰する宗教以外の宗教に対する無神経な発言、また宗教団体の名において社会的、政治的問題に関与すること等を禁止しているのです。
「日本の政権与党幹事長の宗教比較発言を検証する」
 昨年十一月十日、日本の政権与党幹事長が、高野山真言宗総本山金剛峰寺を訪問し、松長座主や庄野宗務総長と会談しました。会見後の記者会見で、幹事長は個人的な感想として、仏教と、一神教であるキリスト教やイスラム教など宗教の違いを述べたことに大きな反響がありました。
幹事長が高野山を訪れた目的は、別に宗教談義をしたかったのではありません。実は国内伝統仏教の多くは、それまで軸足を他党においていた、という歴史が長く続いておりました。全国の伝統仏教団体のほとんどが加盟している、財団法人全日本仏教会の会長が、高野山真言宗の管長職でもあるため、伝統仏教界とのパイプ強化の目的もあり、この度の表敬訪問となった、というのが真相のようです。
 さてこの会見後の幹事長の記者向けの発言内容が、仏教徒以外の立場からすると「意義あり」との認識が一部にあったようです。ではこの発言の内容は実際にどんなものであり、問題があったのかなかったのかを見てみましょう。
 先ず会見が幹事長側からのお願いで実現し、開口一番「念願かなって松長管長貌下との会談が実現しました」との幹事長の発言から始まったように、終始政権党と伝統仏教団体との融和関係を醸成する狙いで、友好的な雰囲気で会談が進みました。また高野山の千二百年という歴史の古さにも話が及び、今なおその仏教を守り続けてきたところ、気付いていない事が多いが、日本人の考え方、生活そのものの背景に仏教哲学があると思っている」との幹事長の発言もありました。さらには「仏教はあらゆる人を受け入れ、皆が仏になれるという度量の大きい哲学であり、管長が欧米人の前で仏教の真髄を説き聞かせることは非常に意義があり、嬉しく期待している」と発言したそうです。
これらの幹事長の発言は、何ら間違った説明はありません。それでは何故、一部の批判が出たのでしょうか。それは多神教と一神教との違いを、一神教は絶対的な存在であり、排他的だとの事実を簡潔に表現し過ぎたことと、説明不足があったかも知れませんが、仏教の長所を端的に表現されたに過ぎないと思います。
『東光寺様で解体法要』 静岡県浜松市西区坪井町
 去る1月29日(金)、浜松市西区坪井町の冨士山東光寺(臨済宗妙心寺派)様で、書院の解体法要が同派の愛宕山光雲寺の田中正文住職によって執り行われました。
東光寺様では、書院が老朽化していて、数年前には白鼻心が棲みついたり、強風で銅板の屋根の一部が剥がれかかってしまったりと、内部の構造ばかりではなく、外観からもわかるほど傷みも激しかったため、新築されることに決まりました。また、書院の南側にある鐘楼堂も、屋根瓦がずれたり壁が崩れたりと老朽化が著しく、檀家から鐘の寄進もあったため、今回一緒に解体されることになりました。
地鎮式は3月2日(火)、上棟は4月18日の予定です。


・・・苺(いちご)の話・・・

梅や桃の花がきれいに咲き、すっかり春めいてきました。最近は旬のためか新聞の折り込みチラシなどで苺を使ったスイーツ(和菓子や洋菓子・果物などの甘味全般で、最近マスメディアを中心にこう呼んでいます)をよく見掛けるようになりました。個人的には甘酸っぱい果物は苦手なのですが、これだけ目にすると苺について興味が湧きました。今回は苺の話です。
苺はバラ科の多年草で、石器時代には野生種が食べられていましたが、今流通しているオランダイチゴの種類は十八世紀のオランダで本格的に栽培され始めました。日本でも平安時代には野生種が食べられていたことが枕草子からもわかりますが、オランダイチゴの栽培は江戸時代末期から、食用としての栽培は明治になってからです。
苺に関しての疑問や誤解で多いのは、苺は果物なのかそれとも野菜なのか?苺は甘味のために果物として扱われることが多いですが、野菜にも見られます。実は野菜と果物の境界線自体がはっきりしていないようです。また、果実(子房が受粉後に肥大化したもの)だと思われがちな赤い部分は花托(かたく・花弁とめしべなどの接合部分)が肥大化したもので、種子だと思われがちな粒々の一つ一つが生物学上は果実になります。めしべが受粉すると花托が膨らみ始めますが、受粉しないとその部分は膨らまずに苺の形がデコボコになります。
おいしい苺を見分けるコツは、形が余りデコボコしていなくて大きく、全体的に赤くてツヤがあるもの、ヘタが青々としてピンとしているものを選ぶことです。苺は先端の方が甘いので、ヘタ側から食べていく方が段々と甘くなっておいしく食べられます。
苺には豊富にビタミンCが含まれていて、百グラム当たりでは意外にもレモンより多いのです。最近では非常に甘い種類も出てきましたが、甘い割にカロリーは高くなく、甘味成分にはキシリトールも含まれています。カリウムや食物繊維も多いので、美容と健康に非常に良い食品と言えます。

◆ 心ゆたかに No.85

2010-11-29

発行日 平成22年1月1日
『曹洞宗盛福寺様で落慶式』 静岡県浜松市東区大島町

 昨11月1日(日)、浜松市東区大島町の大寿山盛福寺様(阪野全治住職)において、本堂の落慶法要が執り行われました。
 式典当日は天候に恵まれ、朝から大勢の人が集まりました。そして稚児行列が境内に入ると場内はパッと明るく華やぎました。
様々な供養や感謝状の贈呈など式典は恙無く行われ、寺族や建設委員を始めとした関係者、檀信徒一同は本堂の完成を祝い、新しい本堂を布教教化の場として今後ますます栄えていくことを祈念しました。
また、式典では天峰建設とイズモ殿の模擬店が賑わいに華を添えました。
『曹洞宗龍雲寺様で落慶式』 静岡県菊川市西方
 昨年11月3日(火)、菊川市西方の洞谷山龍雲寺様(村松延行住職)において、落慶式が執り行われました。
式典当日は前回のお披露目とは打って変わって仏天の御加護か晴天に恵まれ、関係者一同胸を撫で下ろしました。可愛らしい稚児行列から始まった式典は、先代住職の退董式、新住職の晋山、結制、上堂、それから落慶式、感謝状の贈呈と恙無く行われ、皆一人一人焼香して、本堂の完成を祝いました。
 龍雲寺様では今回の本堂新築の一連の工事として、旧本堂を移転改修した無量殿、書院、書院玄関の新築、水屋の移転なども行われました。新しい本堂を初めて目にする住職たちは、間口10間半、檜と欅の丸柱という鎌倉様式の堂々とした姿に感心していました。
新しい伽藍と新しい住職の新体制が始まり、今後ますますの発展が期待されま