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心ゆたかに No.83

発行日 平成21年9月1日
『念願の落慶式』 高野山真言宗久延寺様
 去る8月11日(火)、掛川市佐夜鹿の佐夜之中山久延寺様(高野山真言宗・太田真明住職)において、本堂屋根換え及び耐震改修工事の終了を祝う落慶式が執り行われました。
 去る6月20日(土)、磐田市小島の拈華山正眼院様(曹洞宗・清泉文英住職)において、書院と庫裡の落慶式が執り行われました。
式典当日は仏天のご加護か梅雨時にもかかわらず良い天気で、参列者をほっとさせました。落慶法要や檀信徒先祖供養、記念式典が恙無く行われ、和気あいあいと完成を祝いました。堂々とした平屋造りの書院と庫裡、書院玄関の唐破風の庇と大屋根が特徴です。
 式典当日の早朝、静岡県の駿河湾を震源地とするM6.5(Mは地震の規模を表す単位マグニチュード・阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震はM7.3でした)、最大震度六弱を記録する比較的大きな地震が発生し、同寺院のある掛川市でも倒壊こそせずとも民家の屋根瓦が落ちるなど建物の被害が多数発生し、寝起きを襲われた県民の多くは、いよいよ東海地震かと不安に戦きました。断水した地域もあったり、物流の大動脈である東名高速道路の法面が崩落し通行止めになるなど、県内のみならず震源地から遠く離れた県外にまで多大な影響を与え、改めて地震に対する備えの重要さを喚起させました。耐震改修が施された同寺院の本堂では全く被害が出なかったため、式典に参加した関係者一同は、「耐震工事をしていないままであったら老朽化していた本堂はどうなってしまっていただろうか?耐震改修をしておいて良かった」と胸を撫で下ろすとともに、耐震改修の効果に感心しました。式典は恙無く行われ、関係者はこれまでの苦労をいたわり、浄財を寄せてくれた方たちに感謝し、工事の完成を祝いました。同寺院の一連の工事の経緯は、本紙第80号でも触れていますが、支援を呼び掛ける記事を掲載された静岡新聞、浄財を寄せてくださった方たち、今回の地震が耐震工事が終わるまで起きなかったこと、など様々な縁の有り難さを改めて思い知りました。

『今夏から始まった裁判員制度と宗教者の悩み』
 日本テンプルヴァン㈱ 井上文夫
「宗教者は裁判員選任を辞退できるか」
 いよいよ日本でも裁判員制度が開始され、お盆までに既に二つの裁判が行なわれたのはご存知の通りです。
 ところで司法制度改革の一環で始まったこの裁判員制度の導入の背景は、あまりにも長時間を要する過去の裁判や、社会から遊離してしまっている裁判官の感覚に、庶民感覚をも取り入れようという狙いがあったのも事実です。しかし一方で専門家だけによる法の支配の中身を見直そうとの機運の高まりにより「国民が大切にされ、国民主権が担保されていなければ法とは言えない」との趣旨から、国民が主権者として裁判に直接タッチできる仕組みを求めてきた末に生まれた制度とも言われております。このことは、裁判員法第一条に「司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資する」と記されている通りです。
さて宗教者も裁判員に選任される場合がありますが、万が一選任された場合、自らの信条に従い、参加を拒否できるかが問題点の一つです。裁判員法や政令などには、思想・信条を理由に裁判員を辞退できるという規定は設けられていないため、宗教者だからと言って辞退することは出来ないと思われます。しかし立法過程で「宗教上の理由で裁けない人もいる」との意見が出されたため、「裁判参加で精神上の重大な不利益が生じる」と裁判官が認めた場合や、年齢が七十歳以上の人など一定の条件を満たした場合に限り、辞退を申請することが認められています。ちなみにイギリスやドイツなど刑事裁判への国民参加の伝統がある国では、法律で聖職者が裁判に参加できない、というように定められている国さえありますが、この点からみても、日本では宗教に対する配慮のなさがうかがえる一例と言えます。

「裁判員制度が完全でなければ改善を目指せばいい」
裁判員が参加する裁判は、殺人など刑罰が重い犯罪を対象とする裁判にも関わることになります。その中で当然被告人に死刑の判決を下す場面にも遭遇します。宗教や宗派の中には「死刑を認めない」という立場があります。一方、「罪を憎んで人を憎まず」という考え方の人もいます。また宗教者者は「宗教の教えに従えば人を裁けない」という考え方もあります。
かように宗教者が裁判員として裁判への参加が義務化されたとき、いろいろな立場や考え方があり、非常に複雑な立場に立たされることになります。しかし宗教者が裁判員として裁判に関わる事は、表現を変えれば、宗教者が社会にどのように関わっていくか、という問題と同意語ということができるのではないでしょうか。
過去、宗教の名を借りたオウム事件など、数々の事件を経験してきました。その都度社会からは、この問題に対し、宗教者は一体どう発言し、どう関わってきたかが問われてきました。よく聞く議論は、宗教者はこれら社会的問題に消極的で、関わりを持たないように避けてきた、との批判を耳にしました。ある意味、この裁判員制度も、国民が社会的問題にどうタッチしていくかが問われ、また参加を求められている以上、いくら宗教者とは言えその前に、宗教者も社会の一員である限り、他の社会人と同様に、裁判員制度に協力していくのが妥当ではないか、と考えております。その中で、もし自身の思想・信条から従えないことがあるならば、そのことを主張もし、さらには裁判官や他の裁判員に対し、さすがに物事の真理を深く追求している宗教者だと認識されるぐらいに、ご自身の主義・主張の論陣を張ればいいのではないかと思います。
しかしどうも過去二回の裁判員が参加した裁判を見てみますと、裁判員には自由闊達な自説を披露するような機会は、少なくとも公開の裁判上では与えられていないような気配ですが、それも今後時間を掛けて、改善・改良を目指していく中で、理想的な裁判員制度に育てていくことが可能ではないかと思っております。
**お気軽FAX申込書**天峰建設で新たなサービス始まる**
本紙前号の配布時より、「お気軽FAX申込書」を、本紙の中に挿み込んでお届けするように致しました。
 既にご覧になった方はおわかりかと思いますが、これは、日頃ご寺院様が抱えていらっしゃる可能性が高い問題に項目を絞って、ご寺院様からお気軽に相談して頂ける様にとの思いで始めた新しいサービスです。
本紙の配布時にお声を掛けて相談して下さる場合ももちろん大歓迎ですが、運悪くお留守などお会いできないこともございま

・・・地震の話・・・

 去る8月11日(火)の早朝五時七分、静岡県の御前崎沖の駿河湾を震源地とするマグニチュード六.五の地震が発生しました。最初は小刻みの揺れを感じたのですが、まだ夢の中にいた私は、とっさのことに何が起きたかわかりませんでした。そのうちゆさゆさと大きく揺れ始めたのでようやく地震だとわかりました。今まで経験した地震よりも大きかったため、「これは東海地震が起きたのかも知れないぞ!」と思いましたが、呆然とするばかりで結局避難も何もできませんでした。幸い我が家には何の被害もありませんでしたが、その後ラジオやテレビのニュースを通して各地で様々な被害が発生していたことを知りました。本紙を配布しながら県西部を回っている時にも、屋根にブルーシートを掛けてある建物を結構目にしました。もしもマグニチュード八級と想定される東海地震が起きたら、我が家は屋根だけの被害で済むだろうか?生き残れるだろうか?被災後の生活はどうなるだろうかと、色々と心配は尽きません。前振りが長くなりましたが、今回は地震の話です。
日本付近ではマグマの上昇によって発生する火山性地震、プレートの移動によって引き起こされる地震がよく発生します。プレートとは、地球の表面の厚さ百㎞ほどの部分で、日本付近ではユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの四つがあり、特に静岡県では伊豆半島の付け根辺りでユーラシアプレート、北米プレート、フィリピン海プレートの三つが境界を接しています。プレート同士の境界では、それぞれのプレートの動きによってプレート同士が押し合って隆起したり、一方が他方の下に潜り込んだりしています。海洋プレートが大陸プレートに潜り込むときに大陸プレートに歪みを与え、その歪みのエネルギーによって活断層が生じたり(断層型地震)、歪を一気に解消しようとする時(プレート境界型地震)に地震が起きます。プレート境界型地震は、非常に大きな地震になります。地震が何時、何処で、どのくらいの規模で起きるのかを予知することは出来ません。地震そのものを防ぐこともできません。私たちにできることは、地震が発生した時に、いかに被害を小さく抑えるかと、震災後に生活レベルをなるべく落とさないように備えておくことくらいです。建物の耐震診断や耐震工事はお済みですか?家具の転倒防止対策は充分ですか?家族の避難場所や連絡方法も予め決めておくことが大切です。最低三日分の飲料水と保存食、懐中電灯、ラジオなども準備しておき、地域の防災訓練にも積極的に参加するようにしましょう。