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建物の未来永劫を願った背中

天峰の作業着の背中には ↑ このプリントロゴが入っています。

よくお客さんに、

「 何て書いてあるの?」

と聞かれることがあります。

『 天 』の文字に重ねて書いてある文は、

昔から伝わる火伏せのおまじないです。

『  霜柱  氷の桁に  雪の梁  雨の垂木に  露の葺き草 』

「 建物の部材 」と「水」に関係する言葉を掛け合わせ、

「 火 」から遠ざけるように、「 火 」にも打ち勝つように祈りを込めた言葉です。

(※葺き草とは、昔は屋根を葺く材料に 茅 や 藁 などの野草を使うことが多く、火で燃えやすい素材でした。)

建物が消滅する理由として火事がありますが、

昔は火事の頻度が多く、人々は建物が燃えてしまうことを恐れていました。

建物を建立する大工たちは、火伏せのおまじないとしてこの言葉を祈りました。

時には棟札に書き、時には建物の棟木に書いてその建物が燃えずに未来永劫建立し続けますようにと祈念しました。

その想いを私たち天峰の大工は常に祈り続け、

大工工事が終了し、建物が完成してからもずっと永遠に建立していてほしいという願いがあります。

現代では、火災で本堂が燃えることはほとんど聞かず、

地震災害への対策の方が重要視されている時代ではありますが、

天峰一同、『 建物の永々棟 』を願って仕事に向かう気持ちは常に持ち続けています。

天峰作業着の背中のお話でした。

平松

 

 

 

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