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背割り のお話し

製材にて挽いた杉の角材に『 背割り 』と言って芯挽きを入れています。

柱材などに背割りが入ったものを見たことがあるでしょうか?

これにはもちろん理由があり、木材は乾燥し水分が抜けていく段階で収縮し割れや亀裂が生じます。

この亀裂を、背割りがある箇所に集中させるためです。

このように人工的に割れを入れておくことで、残りの3面は亀裂が生じにくくきれいなまま維持できます。

大工用語では建物の中に使用する柱で、奇麗に見える面を『 大面(だいめん)』と言い、

和室などきれいに見せたい面「大面」を見える側に持っていきます。

通常、住宅で使う柱は4寸(120㎜)角ですから、電動丸ノコで背割りを作れますが、

寺社仏閣で使用する柱は、太いためチェーンソーで入れます(大丸ノコでも中央まで届かない)。

これがなかなか大変で…。

材木の破壊検査、強度検査では、背割りを入れても強度は落ちない。という結果が出ており、

割れのために弱くなることはありません。

このあと、自然乾燥用の天峰倉庫に運んで数年寝かせていきます。

私たちの間では『 芯挽き 』とも呼んだりする『 背割り 』のお話でした。

平松

 

 

 

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